東海大学医学部/平成28年小論文模範解答

私は、医師としての世界人とは、様々な価値観や考え方を公平に評価し、自分が応対する患者にとって最良の解決策を提案する存在であると考える。課題文においては、日本人は世界の中心から離れた場所に位置しながら普遍的な存在たりえていると論じている。「普遍的人間」とは、中心から離れたからこそ、その「中心」と自分たちとを相対的にみることのできた存在であろう。

 医療においても、絶対的に正しい価値観や考え方は存在しない。医師や患者、そして患者を見守る関係者の数だけの様々な価値観が存在するといっても過言ではないだろう。自分から見ていかに偏っていると思えようと、当の本人にとってはそれが正しいのだし、それに応じた対応がその患者にとっては正解にもなりえよう。

 したがって、医師としての世界人には、多種多様な人々を理解しようと努める姿勢が求められると考える。そして、その一人ひとりに応じた最も適切な答えを患者に提案することが必要だろう。それらには唯一の解はない。その患者やその関係者がもつ意見や考えを斟酌し、相対的に考え、何が必要なのか常に考え続けることが重要なのである。

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