スマート学習机の機能として、学校に設置してある机と情報を共有する機能があればよいと考える。現在の学習机の問題点として、学ぶためには教材がその場になければならないことと、実際に学校に出向かなければ授業などの学習体験ができないことが挙げられる。すなわち、現在の学習机は情報との接続という意味では孤立している状態であると言える。
一方、現在の教育現場では、身体的に発育途上の子どもたちに常に教科書やノート、勉強道具を持ち帰らせる慣習が根付いている。これは子どもたちにとって身体的に過大な負担であるため、これを解決することがニーズとして存在する。
また、何らかの理由で学校に通えない子どもたちも多く存在するのが現実であり、その子どもたちにいかに適切な教育を提供するかは喫緊の課題である。これらのニーズや課題を解決するのが、学校の机と情報を共有するスマート学習机である。
教科書やノートに書き込んだ情報を両方の机で閲覧できるようにすることで、過重な教材を持ち運ぶ負担を軽減することができる。また、教材を学校に放置することには盗難・紛失などの懸念もあるが、タブレット端末などに書き込む方式にすればその課題自体が存在しなくなる。また、病気や怪我、もしくは家庭環境などにより学校に通えない子どもたちに対して、授業風景自体をスマート学習机に投影し提供することで、実際に授業を受けている感覚をもてる学習をもたらすことが可能となる。また、スマート学習机と学校の机とで情報を共有していることにより、保護者が教員から連絡事項の伝達を受けることができる。さらに、共働き世帯が増加している中、家にいながらにして子どもたち、保護者、教員で面談することもできるようにすることで、移動の負担を軽減することができる。
このように、スマート学習机と学校の机との情報共有により、子どもたちが抱える課題やニーズを解決できると考える。(790字)